「以前のブログ」で仙腸関節と腰痛との関係性にお伝えしました。
今回は、仙腸関節とパフォーマンスとの関係性について、少し掘り下げていきます。
元々、人間は赤ちゃんの時には、この仙腸関節を関節として自由に動かすことが可能です。
つまり、左右の腸骨と仙骨がしっかりと分離しています。
それが、成長と共に、体を安定させる方向へ進んだ結果、仙腸関節周囲の筋肉が固まり、左右の腸骨と仙骨が一体化してしまいます。
もちろん全ての大人の仙腸関節が一体化している訳ではなく、特に一流と呼ばれるトップアスリートは、この仙腸関節が柔らかいことが多いと言われています。
この仙腸関節が固まると、腰から波及して背骨が本来持っている自由度の高い動きまでもが妨げられます。
そうなると、下半身を無理やり固定して使用せざるを得ないため、その上に乗っている上半身の力みにもつながります。
本来、肩関節や肩甲骨などは自由に動かせるはずなのですが、手の動きは腕から先だけにほぼ限定されてしまい、いわゆる「小手先の動き」となってしまいます。
「小手先の動き」は、機械のようにブレが少なく、一見正確な作業に向いているように思われますが、体の一部分にかかる負担も大きく、エネルギー効率も悪いことから、決して良い動きとは言えません。
何より、このような動きを続けると、体はますます固まってしまいます。
では、仙腸関節が柔らかいトップアスリートの動きはどうなっているのでしょうか?
競技に関係なく、一流選手の動きは「しなやか」という表現が必ず当てはまります。
サッカーだと、特に全盛期のジダン選手やメッシ選手のプレーからは「力み」というものがほとんど感じられませんよね。
このような動きは、体を固めてしまっては決してできないものです。
一般の大人の方で仙腸関節が固まった場合でも、完全に骨化した訳ではなく、骨格の構造として腸骨と仙骨は別の骨なので、改善の可能性は誰にでも残っています。
ただ、仙腸関節は動きのイメージがつきにくい関節です。
その改善のためには、専門のスポーツトレーナーなどの指導を受けることが一番のお勧めになりますが、それが難しい場合は仙腸関節の画像を参考に、実際に自分で仙腸関節を触り、下半身の動きと連動して仙腸関節が僅かに動くのを感じられるように練習してください。
「生涯サッカー」のためにも、仙腸関節の柔軟性獲得は、優先度の高いものとして考えてみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました!