「ストレッチ」が体を固くする!?

「痛みを無くすために柔軟性を良くしたいからストレッチを行っている」という言葉をよく聞きます。

そのような場合はストレッチの目的が、当然ながら「柔軟性の向上」となっています。

そんなことは当たり前だと思うかもしれませんが、実はここが大事なポイントです。

というのは、目的が柔軟性を向上するといった「意識状態」でストレッチを行うと、場合によっては「逆に体が固くなってしまう」からです。

ちょっと理解し難い話だと思いますので、その理由について説明します。

皆さんはストレッチを行う際に、柔軟性を良くしようと思うがあまり、呼吸を止めた状態で強く反動をつけたり、痛みの限界まで筋肉を伸ばしたことはありませんか?

痛みがある状態というのは、一般的には筋肉の緊張が高く、血行が低下しています。

そのため、目的を柔軟性の向上としたストレッチは「力み」が強くなり、筋肉の緊張がさらに高くなることから、結果として柔軟性が低下するという悪循環に落ち入ってしまう場合もあります。

これがいわゆる「目的が柔軟性の向上」となっているストレッチです。

では「目的」を何にしたら良いのかというと、「血行を良くする」ことです。

血行が良くなることで筋肉は柔らかくなり、柔軟性の向上から痛みも改善しやすくなります。

ご自身が「楽だ、気持ち良い」と感じるストレッチは、血行が良くなっています。

この「血行を良くすることを目的」にストレッチを行った場合、過度な力みにつながり難くなるのは想像がつきますよね。

セルフエクササイズを指導させてもらった方から、「この方法で合ってる?」と聞かれることもありますが、「運動したことで楽になる」というのを、良い運動の基準の一つにしてみてください。

「痛みの改善」を前提に考えた場合、ストレッチはあくまで血行を良くするための手段の一つにすぎませんので、ご自身で色々と楽になる方法を考えて実践することが、様々な症状に対処できることにつながります。

「生涯サッカー」を楽しむためにも、自分の体を自分で守る「セルフメンテナンス」の習慣を付けていきましょうね。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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この記事を書いた人

▶︎札幌医科大学大学院保健医療学研究科博士課程前期修了(理学療法学修士)
▶︎理学療法士 / 専門理学療法士(運動器)
▶︎JARTA認定スポーツトレーナー(SS rank)

医療機関にて多種多様な疾患や症例に対してのリハビリテーションを経験。スポーツトレーナーとしてオリンピック日本代表やプロアスリートのサポート実績も有する。東京で30代からの大人のサッカーコミュニティ『FLEOS -フレオス-』を立ち上げるなど誰もが生涯サッカーを当たり前に楽しめる社会の実現に向けて活動中。

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