痛いのは「筋力が弱い」から!?

今までに病院などで「痛みを改善するために筋力をつけましょう!」と言われたことはありませんか?

そして、実際に筋力トレーニングを行ったことで、痛みが改善した方もたくさんいるかと思います。

その一方で、筋力トレーニングを行っても痛みが改善せず、むしろ痛みが悪化した方もいるのではないでしょうか?

これには、理由があります。

それは、その時の体の状態が、筋力トレーニングを行う以前の状態だったからです。

「以前のブログ」でもお伝えしましたが、痛みには血行が関わっています。

痛みがある状態というのは、一般的には交感神経の影響で血管は収縮し、筋緊張の亢進から血行は低下しています。

ですから、痛みがあり交感神経優位となっている場合、特に力みの強い方法での筋力トレーニングを行えば、さらなる血行の低下を招きかねません。

ここで注意していただきたいのは、全ての筋力トレーニングを否定している訳ではありません。

力みの少ない方法での筋力トレーニングは、リラクゼーションや血行の改善に効果があるからです。

話を元に戻しますが、筋緊張が亢進している場合には、筋紡錘という筋をコントロールするセンサーも働きにくくなります。

このような状態を言い換えると、「体が錆び付いており、ブレーキがかかっている」ようなものです。 

そんな錆びた自転車を漕ぎ続けるのを想像しただけでも疲れませんか?

これでは、効率の悪い運動を余儀なくされることから、筋力が弱いと評価されてしまうことも少なくありません。

しかし、本来は筋そのものの弱化が直接の原因ではないのです。

ただ、この状態が長く続けば、結果として筋そのものの弱化につながりますが…。

そのため、まずは「体の錆びを除去し、ブレーキを外すこと」が必要となります。

いわゆる筋力トレーニングは、それからでも遅くないのかもしれません。

体の錆びを除去しない状態での筋力トレーニングは、錆びたボロボロの自転車を気合いで漕いでいるようなものです。

けど、そんなことをずっと続けていたら、いつか体に不具合が出てしまいますよね?

僕なら絶対に新品のピカピカの自転車に乗りたいですし、むしろ最新の電動自転車に憧れます(笑)

今回の内容をまとめると、痛いのは筋力が弱いからではなく、筋をうまく使えていないためです。

考えていただきたいのですが、日常生活で100%の筋力は、まず使うことがほとんどないですよね?

最大筋力を鍛えるよりも、その動作に必要な分の筋力を適切に使えるようになることの方が本当に重要です。

ただ、痛みの原因は多岐に渡るため、今回の内容はほんの一例にすぎません。

ですから、酷い痛みが出た場合には自己判断せずに、まずは医師の診察を受けることをお勧めします。

「生涯サッカー」のためにも、適切で効率の良い体の使い方を覚えていきましょうね。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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この記事を書いた人

▶︎札幌医科大学大学院保健医療学研究科博士課程前期修了(理学療法学修士)
▶︎理学療法士 / 専門理学療法士(運動器)
▶︎JARTA認定スポーツトレーナー(SS rank)

医療機関にて多種多様な疾患や症例に対してのリハビリテーションを経験。スポーツトレーナーとしてオリンピック日本代表やプロアスリートのサポート実績も有する。東京で30代からの大人のサッカーコミュニティ『FLEOS -フレオス-』を立ち上げるなど誰もが生涯サッカーを当たり前に楽しめる社会の実現に向けて活動中。

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