「肩のすくみ」の影に潜む体へのマイナスな影響とは!?

力みや緊張などによって「肩のすくみ」を経験したことはありませんか?

「肩のすくみ 」とは、肩の先端を耳に近付けるような動きになります。

この「肩のすくみ」がある状態では、 肩甲骨がうまく使えなくなり、腕が上がらなくなってしまいます。

試しに、肩をすくめたまま両手を上にバンザイしてみてください。

肩をすくめない場合に比べて、腕が上がらなくなりませんでしたか?

さらに、肩をすくめることで、肩関節の一つである「肩甲上腕関節」には、「せん断力」という擦り切れるようなストレスが加わり、この動きを反復することで肩の痛みにつながる可能性もあります。

話は変わりますが、成長期の野球少年などに「肩のすくみ」が起こりやすい理由の一つとして、投球時の力みが強い以外にも「体が柔らかいこと」が関係しています。

「体が柔らかいこと」は良いことなのに、どうして「肩のすくみ」につながるのだろうと思いませんでしたか? 

ここでの体が柔らかいというのは、「背骨や肋骨の動きが柔らかい」ことを意味しますが、この部分が柔らかいことで、実は肩甲骨をしっかりと使わなくても腕を上まで動かすことが可能になります。

そのため、肩がすくんでいても見た目では腕が上がっていることで、本当は肩甲骨が使えていないのにもかかわらず、「肩の動きは問題ない」と、見逃されてしまうことも少なくありません。

これでは、前述した「せん段力」が肩甲上腕関節に加わり、さらには周囲の筋肉に過剰な緊張が伴うため、痛みを誘発してしまうことにつながります。

ここで誤解しないでいただきたいのは、「背骨や肋骨の動きが柔らかい」こと自体は良いことです。

この柔らかさと肩甲骨の動きを両立させることができれば、肩の痛みの予防のみならず、スポーツのパフォーマンスにも良い影響が期待できます。

ただ、この「肩のすくみ」が認められ、肩や肘に痛みが出ている場合は、肩甲骨周囲の筋肉が既にかなり固くなっている可能性もあるため、その改善にはある一定の期間を要してしまうかもしれません。

それでも改善に向けての継続したアプローチは、構造的な固さに対してのものだけではなく、正しい体の使い方の学習といった重要な意味合いも兼ねています。

肩の痛みは「生涯サッカー」を続ける上での大きな支障となりますので、今のうちから予防的な介入を行なっていきましょうね。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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この記事を書いた人

▶︎札幌医科大学大学院保健医療学研究科博士課程前期修了(理学療法学修士)
▶︎理学療法士 / 専門理学療法士(運動器)
▶︎JARTA認定スポーツトレーナー(SS rank)

医療機関にて多種多様な疾患や症例に対してのリハビリテーションを経験。スポーツトレーナーとしてオリンピック日本代表やプロアスリートのサポート実績も有する。東京で30代からの大人のサッカーコミュニティ『FLEOS -フレオス-』を立ち上げるなど誰もが生涯サッカーを当たり前に楽しめる社会の実現に向けて活動中。

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