捻挫の原因は足首が「ゆるい」から!?

スポーツ経験の有無に限らず、今までに足首を捻って捻挫したことがある方は、かなり多いのではないでしょうか?

足首の捻挫は、医学的には「足関節靱帯損傷」と呼びますが、その靱帯は大きく「内側」と「外側」に分けられます。

内側:「三角靱帯(浅層、深層)」

外側:「前距腓靱帯、後距腓靱帯、踵腓靱帯」

当然ですが、足首の捻挫は足部が地面に接地した時に、足首を内側もしくは外側に捻ってしまったことによって靱帯が伸ばされ受傷します。

この足首の捻挫は、詳細は医師の判断によるところもありますが、その「重症度」に基づいて治療が進められます。

Ⅰ度(軽症):靱帯線維の一部断裂 <保存治療>

Ⅱ度(中等症):靱帯の部分断裂 <保存治療>

Ⅲ度(重症):靱帯の完全断裂 <保存治療または手術>

治療のポイントは、スポーツを行っている方でしたらパフォーマンスを落とさないように、一般的には安定性よりも可動性を重視します。 

特に足首を深く曲げる時に伸ばされる「アキレス腱」の柔軟性獲得は欠かせません。

ただ、安定性が不必要というわけではなく、安定性には足首周囲の比較的小さな筋肉も関わっているため、その強化はもちろん大切ですが、微細な動きを可能にする感覚系のトレーニングも必須になります。

しかし、足首を捻ってしまう原因は多種多様であるため、なにも足首の周りに異常があったからだけではありません。

そのため、捻挫の予防や復帰には、それぞれの競技特性と照らし合わせたうえで、足首だけではなく全身との関係性を考えなければなりません。

個人的には、「足首がゆるい」などの局所の構造的な原因よりも、その他の部位の影響が大きいと感じています。

例えば、「腰部や股関節の使い方がぎこちない」、「プレー中に力みやすい」、「そもそもの立位姿勢が悪い」ことなどによって、結果として足首の捻挫につながっている可能性が高いケースを数多く経験しています。

抽象的な表現になりますが、「しなやかに体の動きを使いこなす」ことができれば、局所である「足首」に加わるストレスは分散することが可能です。

具体的なトレーニング方法に関しては、個人の状態によって異なるため、ここでの明言は避けますが、最低限「腰部や股関節の使い方」は、キーワードとなってきます。

最後に一言、ケガに対して「予防に勝る治療」はありません。

「生涯サッカー」を続けるためにも、長引くことの多い捻挫の予防にしっかりと努めてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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この記事を書いた人

▶︎札幌医科大学大学院保健医療学研究科博士課程前期修了(理学療法学修士)
▶︎理学療法士 / 専門理学療法士(運動器)
▶︎JARTA認定スポーツトレーナー(SS rank)

医療機関にて多種多様な疾患や症例に対してのリハビリテーションを経験。スポーツトレーナーとしてオリンピック日本代表やプロアスリートのサポート実績も有する。東京で30代からの大人のサッカーコミュニティ『FLEOS -フレオス-』を立ち上げるなど誰もが生涯サッカーを当たり前に楽しめる社会の実現に向けて活動中。

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